＜大阪厚生年金会館＞

　台風の中、四ツ橋の大阪厚生年金会館芸術ホールまで「葉っぱのフレディー」を見に行って来た。 家を出る時が一番ひどい暴雨風雨で、駐車場へ行くまでにずぶ濡れになった。最寄りの地下鉄駅から、阪神への乗り換えの三宮は地下駅だし、阪神が地上に出るまで外は見えないが、電車が地上に出ると雨は上がっており、尼崎の辺りになると空も明るい。大阪では朝から若干小雨が降った程度らしい。傘も必要なかった。
　 ９０歳を越えて未だお元気な日野原重明さんという小児科医の体験談を元に書かれた「生と死」をテーマにしたミュージカル。昨年は気が付かなかったが、良く見ると、終末医療もテーマになっているんだなと感じた。命を軽んじる今の世の中、子どもに考えさせるには良いミュージカルだと思う。
　 会場に入ってすぐにＤＶＤとパンフレットを購入。ＤＶＤ３５００円、パンフレット１０００円（昨年は１５００円だった）と大変良心的な値段である。子ども対象のミュージカルだからであろうか。
　 １２時からの部は前から２列目、舞台に向かって右の島の一番中央寄りで、まあまあ見やすく、間近で出演者も見られて良かった。陽子さんも目の前で見ることが出来た。
　 陽子さんの役は元大女優だったが、今は落ちぶれて酒浸りの日々を送る浮浪者の役。ルーク医師に再会し、再び人生をやり直すという役。昨年と同じ役所だし、内容も大きくは変わっていないと思うが、昨年は全国巡演だった為、大阪は千秋楽の１回だけだったので、今回、改めてじっくり見ることが出来、一層、陽子さんの歌の素晴らしさを感じた。
　 浮浪者の役と２部の最初、回想シーンとして演じる大女優。全く対照的なこの２つの役柄をどちらも素晴らしく演じていた。女優のシーンは本来の歌手として今まで見て来た陽子さんを彷彿とさせるライザ・ミネリばりの歌って踊ってのステージだった。真っ赤な衣装、メイクも派手目で、「極楽鳥」と言うナンバーを力強く歌う。役に陽子さんをはめたのではなく、陽子さんの為に作られた役だと感じる場面であった。浮浪者の役で歌う「しあわせの船」は、ストーリーの中で本当に優しく暖かく歌っていて胸に響いて来る。単に歌唱力があるというだけでなく、キャリアがなければ歌えないと思った。どちらも陽子さんの魅力なんだよねえ。どっちも良かった。１粒で２度美味しいってヤツかな。
　 ２回目の公演は１６時からで開場まで１時間程あったが、この辺り、オフィス街で遊ぶ場所もないので、会館内の喫茶店でお茶を飲んで時間を潰す。１６時の部の席は最前列、左の島の通路から２つめで、とても見にくい席であった。後ろを振り返ると良い席が結構空いていたので、休憩後、６列目のど真ん中へ移動。「極楽鳥」を真正面から見ることが出来、最高であった。

＜ＤＶＤとパンフレット＞

　陽子さんのシーンは本格的で、いるだけで存在感を感じるが、だからと言って決して前に出るわけではなく、子ども達を後ろからも支えていて、それが返って存在感を感じた。
　終演後、１０分足らずで楽屋口へ行くと、宝田明さんはもう着替えてタクシーを待っていて、すぐに出て行った。陽子さんは２０分くらいで出て来られ既にタクシーが待っていたので、あまりお話出来なくて残念だったが、ＤＶＤとパンフレットにサインをお願いすると、快く応じて下さった。とても暑い大阪だったが、服装は既に秋の装いで素敵だった。これで、また、１１月のスウィング迄、何もない。長いなあ。
　後日、ゆっくり、ＤＶＤを見た。何故かうちのデッキ、再生出来なくて、仕方なくパソコンで見た。今年のを見たあとで昨年のＤＶＤを見たのだけど、子ども達の役者が明らかに今年の方が芸達者だったと思う。全般的に今年の方が上だったが、若いカップルの２人、フレディーも今年の方が良かった（特に白組の子は良かった）。
　「葉っぱのフレディー」来年も再演して欲しいと思う。

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