Buone Vacanze！（７）
７月２８日 カプリ（青の洞窟はＣＨＵＳＯ）
今日も天気はいまいち。晴れてはいるが、薄雲が覆っている。カプリは晴れて欲しかったのに。８時３５分発の水中翼船には間に合わない。９時２５分の船で行くことに決めた。朝食を摂りにレストランへ行くと、何だか外国の団体客がいた。更に奥には日本人団体が。団体がいるからかどうか知らないが、今日はベーコンや卵料理まで並んでいる。バウチャーに「ハムや卵を食べたら別途料金を追加される」と書いてあったので、カメリエーレに「私はグループではないが、これを食べても良いのか？」と聞くと、笑顔で「勿論だよ。どうぞ」と言われたので、遠慮なく頂いた。団体客もこういう時は有り難いかも…(^_^;)。食べていると、食事を終えた団体客が帰り際に私のそばを通り「関空から一緒だったんですよ。おひとりですか？」と聞いて来た。ナポリに泊まるツアーというのも珍しいので、「これからカプリですか？」と聞くと「いや、ローマに行って明後日帰ります」とのこと。私と同じ飛行機で来て、シチリアへ行ったらしい。それでナポリに泊まってローマ？何で、直接ローマに入らないのかな？まあ、どうでも良いけど。
部屋に戻り窓からベヴェレッロ港を見ると、８時３５分発のカプリ行きが出て行くところだった。９時２５分だとローマからの客と一緒になってしまうかも。折角ナポリに泊まっている意味ないかな〜。荷物をまとめて、９時過ぎにホテルを出る。ホテルの前にはタクシーが数台停まっていて「タクシー？」と声かけて来たが、「ノー。ア ピエディ」と断る。通じたみたいだ。港まで６〜７分。スーツケースを転がしながらもスイスイと車を縫って道が渡れるまでになっている。
←＜中央にそびえるのが、ホテルジョリー＞
カプリまでの切符は１１ユーロ。切符を買って乗り場へ行くとかなりの人が並んでいた。暫くして乗船開始されたが、２階デッキはすぐに満杯となった。階段横のひとり掛けの椅子が空いていたので座る。後方を見ると、修復中のカステルヌォーヴォ、少し右にホテルジョリーが聳えている。そして、これらの後方の小高い山の上に、まるでナポリの市街を見守る様に建っているのがサンマルティーノ修道院である。この風景を見ていると、治安が悪いと言われているナポリがどこにあるのだろうかと不思議に思う。
出航寸前に日本人団体客が乗り込んで来た。多分、早朝にローマからやって来たのだろう。やっぱりローマからの客と一緒になってしまった。どんどん２階デッキは上がって来たが、もう満杯なので、諦めて１階へ戻って行った。
間もなく、船はカプリに向けて出航。ナポリの街がどんどん遠ざかる。３日後にはまた戻って来るので、それ程感慨はない。早く戻って来たい気持ちと、カプリへの期待が入り交じる。
＜丘の上に見えるサンマルティーノ修道院＞→
先程の日本人団体客のひとりがデッキに上がって来た。「ローマからですか？」と尋ねると、「そうだ」という。いろいろ日程を聞いていると、その受け答えから添乗員であることが判明。一般客との話はそんなに面白くないが、添乗員との話は実に面白い。日本旅行のツアーらしく、水野真紀にそっくりの可愛い、しかしある程度ベテランらしい添乗員である。今日の天気なら青の洞窟は大丈夫でしょうとのこと。ツアー客はもし青の洞窟が閉まっている時はどうするのか尋ねてみた。だって、メインは青の洞窟でしょう。それ見る為にわざわざローマからやって来て閉まっていてはねえ。まあ、リスクの大きいツアーだと思うけど。青の洞窟が閉まっている場合、アナカプリ地区を散策するそうだ。話は弾み、果てはヴェネツィアの現地ガイド、マルコやアントニオの話にまで発展。アントニオは最近結婚したそうだ。このツアー付きの現地ガイドがやって来て添乗員はガイドと話していたが、全て英語。イタ語は使わないのかな。英語を使うイタリア人にも興醒めだ。
約５０分でカプリ島のマリーナグランデに到着。早くフニコラーレに乗らないと長蛇の列になると言う情報があったので、その現地ガイドにフニコラーレの乗り場を尋ねると教えてくれた。「ボン ヴィアッジョ。青の洞窟が見れると良いですね」と言ってガイドさん、添乗員さんと別れる。
下船するとポーターの噂のオヤジがいた。噂では有無を言わさぬ勢いで荷物を持って行くらしかったが、何も言わないので、こちらから依頼する。７００円程度でスーツケースを運んでくれるなら安い物だ。料金はあとで良いらしい。
青の洞窟へは陸ルートで行こうと決めているので、まずはホテルでチェックインしてからだ。切符は乗り場の向かい側のプレハブで売っている。１．３０ユーロ。１日券は６．５０ユーロ。カプリ島内のバス、フニコラーレ共通である。イタリアの都市部の公共交通機関は、刻印してから９０分は乗り換え自由とか、エリア内は乗り換え自由とかであるが、カプリはそうではなく、乗り換えの度に料金を支払わなくてはならない。バスなしでは動けないところでもあり、これが結構割高である。特に着いた日は１日券を購入することをお薦めする。
フニコラーレを降りたら写真で見たあのカプリの街が現れるのだ。期待に胸膨らませる。フニコラーレを降りて階段を上がるとウンベルト１世広場に出る。確かに狭い。しかし、何だか高級感溢れるハイソな感じがするのは、そこがカプリだから？
さて、ホテルはどこにあるのか。地図もないので、全く解らず、ｉで尋ねることにした。ウンベルト１世広場の時計台の下がｉになっている。私の宿泊するレジーナクリスティーナはここからさほど遠くはない様だ。
ウンベルト１世広場を突き抜け、下り坂を降りて行くと、万国旗が並ぶ超高級そうなホテルにブチ当たった。ここが噂のホテル・クイシサーナ。こんなところに泊まれたら良いのになあと思いながら、ホテル・クイシサーナの右の道を少し降りた右手にレッジーナクリスティーナがあった。ここも４ツ星なんだけど、５ツ星の最高級ホテルホテル・クイシサーナを見たあとは何だか貧粗に見える。
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まだ、１１時前でしたがチェックインすると部屋に案内してくれた。海側の部屋は割高になるらしく、結局山側の部屋。床はマヨルカ焼きのタイルが敷き詰められていて、夏場は素足に気持ち良い。部屋も広くてベッドもツイン。しかし、何か豪華さに欠けるかな〜。
午前中に何とか青の洞窟に行きたいので、早々にホテルを出る。青の洞窟へ行くにはマリーナグランデから船で行く方法と、カプリからアナカプリ経由でバスで行く方法がある。どうも海ルートは混む様なので私は陸ルートで行くことにした。フニコラーレ乗り場からヴィアローマを少し西に行くとバス乗り場がある。黄色いミニバスが３台並んでいた。１日券と１回券、ここでも１回券を４枚購入する。
バスが４〜５くらいしか座席のない小さいバスで、アナカプリ−カプリ間はメインルートの為、超満員で出発する。暫く走るとバスは山越えをするが、これがまた断崖にへばりつくように作られた道で、どうかすると飛び出してしまいそうなスリル満点の道。下手なジェットコースターより面白い。お薦めはカプリ−アナカプリへの右側である。車内に悲鳴を響かせながら、バスは曲がりくねった道を登って行く。上り詰めるとそこはもうアナカプリ。
ヴィットリア広場がアナカプリ地区の中心地で、超満員の客はここで降りた。青の洞窟へ行くバスはもう少し先のバスターミナルで乗り換えなければいけないので運転手に「青の洞窟に行きたいが、どこで乗り換えるのか？」と尋ねていると、隣のおっちゃんが「もう少し先だ。着いたらオレが教えてやるよ」と言っている。そして、次の停留所でそのおっちゃんが「ここで降りるんだ。バスはそこから出るよ」と教えてくれたので礼を言って降りる。道を渡ると寂れた空き地の様なバスターミナルがあり、真ん中に１台「GROTTA
AZZURRA」と書かれたミニバスが停まっていた。ここでまた切符を買わなければいけないらしい。カプリは交通費が高い。
←＜青の洞窟のボート乗り場。画像右の方が洞窟入り口＞
バスは結構頻繁に出ているらしく、このバスも５分程待って出発した。アナカプリの生活空間の狭い道を通り抜けると、民家はなくなり、山道をひたすら下る。そして、海が見え始めると、青の洞窟はすぐそこだ。停留所からは階段を降りて船乗り場へ行くが、海には船も出ておらず、人影もない。本当にここが青の洞窟なのだろうか？こんなに天気が良いのだからキューゾってことはないよね。階段を降りて行くと、４人程人がいた。階段の先は波が打ち上げており船もいない。もしかして、波に隠れているあの小さな穴が青の洞窟？東洋人風の女の子が１人いたので「日本人ですか？」と聞くと「そうです」と言い、今日は青の洞窟は閉鎖であると教えてくれた。彼女はイギリス留学中で、夏休みを利用してイタリアへ来ているそうで、何が何でも青の洞窟が見たくて５日間滞在しているが、ずっと閉鎖だとのこと。開くまで頑張りたいが、タイムリミットは明日までらしい。「ホテルで１２時になったら開くかも知れないと言われたので、待っているんです」とのこと。後１５分でとても波が静まるとも思えないが、取り合えず、私も待ってみることにした。あと３人待っていた西洋人は早々に引き上げてしまった。
＜Ristorante Nettuno＞
やはり１２時になっても開く気配がないので引き上げることにした。丁度昼食時間だし、ひとりで食べるのも寂しいので、一緒に食べませんか？と誘うと彼女ものって来てくれて、ふたりともが行きたかった青の洞窟上のネットゥーノというレストランへ行く。ＦＩＧＡＲＯにも載っていたレストランで、テラス席から海の眺めが抜群である。時間が早いので、客は私達だけである。彼女の名前は作田さんというそうだ。作田さんはあまりたくさん食べられないと言うので、アンティパストはパスして、プリモはＦＩＧＡＲＯに載っていたスパゲッティ アッラ ペスカトーレ。セコンドはガンベリのグリリア。そして、デザートはジェラートとエスプレッソ。ナポリやソッレントではアルデンテ過ぎて、あまり美味しくなかったスパゲッティ、ここではちょうどゆがき具合で美味しい。それに食事はやはりひとりよりも二人が美味しい。作田さんとはとても気が合って話も弾んでしまい、Ｅ−ｍａｉｌアドレスを交換した。
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作田さんは青の洞窟が見れないばかりに５日もカプリに滞在しており、カプリは行き尽くしたというので、カプリからならアマルフィ、ポジターノ、ソッレント、イスキアなどに行けると教えてあげた。一緒にアナカプリまで戻り、作田さんお薦めのモンテソラーロのリフト乗り場まで案内して貰い別れた。
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