前にイタリアに行ったのは２００３年の夏。もう１年半もイタリアに行っていない。思いがけずやって来たイタリア里帰りのチャンスにわくわくしないわけがない。
三宮８時３５分の直行バスで空港へ向かう。途中、トイレに行きたいという女性が現れ、空港の手前のＳＡに緊急停車。出る前にトイレに行っとけよ。それに運転手には侘びていたが、乗客みんなに迷惑かけたにも関わらず、挨拶なし。ほんまに常識ない。
それでも少し早め９時３０分頃空港に到着した。今回は航空券は空港で受け取ることになっている。昨日、事前に送っておいたスーツケースを受け取って、H.I.Sのカウンターへ。航空券を受け取ったあと、フィンランド航空のカウンターへ行ってチェックイン。今日は結構混んでいてスーツケースの検査に結構並んでいたが、フィンエアのチェックインカウンターは、あまり混んでいなかった。いつもの様に、前方の通路側を指定。ヘルシンキ－ミラノもここでチェックインしてくれた。荷物も流れるらしい。
フィンランド航空は初めてイタリアに行った時に利用した航空会社である。１９９２年１２月。まだ、関空は出来てなくて、成田からであった。朝、早かったので成田に前泊した。阪神航空の「エンジョイイタリア」というツアーで、両親と３人で参加した。その母はもういなくて昨年７回忌を終えた。この時の添乗員が片見さんであり、今でも父はいつもついて行って頂いているのである。私がこれ程イタリア好きになったのも片見さんがイタリアの楽しさを伝えてくれたからである。
さて、個人旅行の場合、ある程度、ユーロを持っていないと、ついてすぐに換金出来なかった場合、バスにも乗れないので、取り敢えず１００ユーロ換金する。何とレートは１４０を越えていて、１５０００円出して、釣りは小銭が僅かであった。
あっと言う間に時間が来たので搭乗口に向かう。１１時４０分、搭乗開始。１１時５５分の定刻よりも少し早くＡＹ０７８便はヘルシンキに向けて出発した。客は８割くらいの搭乗率。
イタリアへ行く時は、大体、日本列島を横断し、日本海に出て、北京上空、モンゴル上空を経てシベリアに出る。しかし、今日のフィンエアは日本列島を北の端まで縦断、更に樺太を経て、ロシア大陸に入り、シベリアに出た。しかもシベリアの最も北の方を飛んでいた。
機内食は選択なし、１種類だけど美味しいと片見さんに伺っていたので、選択なしに戸惑いはなかった。味も良い。ちなみにアリタリア、フィンエアの機内食は美味しい。不味いのはＫＬＭ、キャセイ、ノースウェスト。ショボくてお腹が空くのはＪＡＬ。
＜昼食。蕎麦もあんかけご飯もが美味＞ ＜ヘルシンキ到着前の夕食。カレーが日本人好み＞
＜ヘルシンキ－ミラノ間。もう食べられない！＞
機内食は美味しいし、ことある毎にドリンクサービスに廻る乗務員のサービスも良いが、シート間のピッチがかなり狭い。アリタリアよりも機体が古い気がする。前の男（どこかのツアーの添乗員らしい）が、思い切りシートを倒して来たので、本当に窮屈だった。
私には無縁の機内販売も熱心にワゴンを押して廻っていた。アリタリアは今から機内販売を始めるので、「欲しい人は買いに来て下さい」だもんね(^_^;)。
そんなこんなで定刻１５時２０分より５０分も早く、現地時間の１４時３０分にヘルシンキに到着。ヘルシンキは北極圏を飛んだ場合、ヨーロッパで最も日本に近い。１０時間弱で到着だ。まだ、１４時台なのにすっかり夕暮れの雰囲気。窓の外は雪景色である。
＜雪のヘルシンキ空港＞→
降りたところに日本人係員がいたので、どこでリコンファーム出来るか聞いたが、まだ、１週間前なので、２～３日前にして欲しいとのこと。しかし、フィンエアのイタリア事務所には日本人はいないだろうから、無事リコンファーム出来るかどうかが心配だ。そもそも、今時、リコンファームなんか必要なのか？と思い尋ねると、別に必要ないが、希望の席は早めに言って貰った方が良いとのことであった。まあ、それなら良いか。
入国審査は当たり前だが英語で聞かれる。イタリア語じゃない。イタリア語に堪能なわけではないが、やはり一番聞き慣れている言語。英語は聞き取れない。が、まあ、何とか答えられてパス。すぐに国内線搭乗口に出る。見覚えのある風景だ。１２年前に来た時はクリスマス時期だった。フィンランドはサンタクロースの国ということで、サンタクロースが立っていたので、ここで記念撮影したのだった。あの頃は、バンター空港の別名があったのだが、今はどこにも「バンター」の名前がない。単なる「ヘルシンキ空港」みたいだ。
１６時発のミラノ行きに乗る為に、早めに乗り継ぎゲートへ行く。外国人の一般乗客に混じって座って待っていると、日本人団体が続々と押し掛けて来て、瞬時に日本人に占領されてしまった。１６時出発予定のミラノ行きＡＹ７９５便は１０分遅れて１６時１０分に出発した。
＜見覚えのある国内線（ユーロ圏内）搭乗口＞ ＜ミラノ行きは１６時発。２５番ゲート＞ 機内は日本人団体でいっぱい。ユーロ圏内は最初に降りた都市で入国審査をするので、あとは国内線の様なもの。乗務員もフィンランド人のみとなり、機内放送もフィンランド語と英語しかない。その国内線を日本人が占領しているのである。日本で言えば、東京～大阪便がアメリカ人にでも占領され、日本人が数人遠慮がちに乗って居る様なもんだ。これって何かおかしくないか？正にその状態であったのだ。右も左も日本人、折角、イタリアまで来たのに大阪弁が飛び交っている。ナポリ便やパレルモ便は団体は１つで、あとは個人旅行の日本人、バーリ便に至っては日本人はいなかった。やっぱりミラノなんだなあ。きっと、ミラノやフィレンツェには日本人が溢れ返っているのだろう。やっぱり日本人を避けるには南イタリアが良いのかな。今回も大都市は避けて地方都市へ行こうと決意を新たにした。
さて、最近はユーロ圏内からでもマルペンサに入るみたいだ。ヘルシンキには４０分早く着いても、ミラノ便は出発が１０分遅れ、到着も１８時４０分となった。フィンランドとイタリアには１時間の時差がある為、２時間半のフライトとなる。やっぱりイタリアは遠いのだ。
昔はユーロ圏からイタリアに入る場合、大抵、リナーテに入っていたのに、今は殆どマルペンサに入るみたいだ。マルペンサから市内までバスで小１時間かかる。何で、リナーテに入らないんだ(-_-;)と思ってもみても仕方ない。
←＜夜のミラノ・チェントラーレ＞
今日のホテルは明日の移動を考えてチェントラーレ近くに取っているので、マルペンサエキスプレスではなくプルマンを使う。ここまで来ると、団体は専用バスに乗るので消えた。個人旅行の日本人が他に２人いるだけ。やっと日常を離れた気がした。「中央駅行きのバスはどこから出ていますか？」「５番出口？」「これは中央駅行き？切符売り場はどこ？」…片言のイタリア語だが、やっと口に出来た。バスの中ではイタリア人のネイティブなイタリア語が飛び交う。良いなあ。意味は解らなくても、イタリア語の響きはやっぱり良い。車窓にはイタリアの風景。１年半ぶりのイタリアに興奮を抑えられない。せめて１年に１回はイタリアを訪れたいものだ。
オレンジの街灯が見えると、更に気持ちは高ぶる。やがてバスは見慣れたポルタガリバルディ近くの墓地の前を通る。ここを過ぎると私の好きなホテルエグゼクティブがある筈だ。今回は貧乏旅行なので、４ツ星など利用出来ない。エグゼクティブを越えると、もう中央駅はすぐそこなので、降りる準備をする。バスは１９時２０分、いつもの様に中央駅脇に到着した。
まず、明日のアレッツォ行きの切符を買ってからホテルに行かなければ、以前、２０時に窓口が閉まってしまったことがあった。以前は地上正面右に大きな切符売り場あり番号を取って順番待ちまでしていたと思ったのだが、バスを降りてすぐに小さな切符売り場があった。お客もあまり並んでいない。無事、明日の９時発のＥＳの切符を購入出来た。ミラノ－フィレンツェ、プリマクラッセで４１．８３ユーロ、フィレンツェ－アレッツォがディレットで５ユーロ。合計４６．８３ユーロであった。
今夜は中継地。目的地へはまだ４時間かかるのだ。正味イタリアにはたった５日しかないのに本当に勿体ない。バーリもナポリもパレルモも確かに到着は深夜近くであったが、翌日は朝から観光出来た。せめてフィレンツェくらいに入れていたら楽だったのだが。
＜ホテルで紹介されたピッツェリア＞ホテルはチェントラーレ駅から歩いて数分のところにあるカノーヴァ。今回は貧乏旅行の為、ホテルには期待していない。入り口入ると明るいロビー。レセプションのお兄ちゃんもテキパキ動いており、なかなか好感が持てる。顔は東洋系だが日本語は喋れない様だ。良く聞いてみると、おじいさんが日本人らしい。それなら、おばあさんはイタリア人？と聞いてみたが違うらしい。「レストランに行くなら紹介してあげるよ」と言ってキーをくれた。
期待していなかった割りには、まあまあな部屋である。部屋は狭いがミニバーもあるし、テレビだってちゃんとついている。それにバスタブもちゃんとついているんじゃないか。四ツ星でぼろいと頭に来るが、それなりの料金である３ツ星なら納得出来る。
大阪～ヘルシンキで２食、、ヘルシンキ～ミラノで１食と続けざまの機内食は食べられなかったので、小腹が空いて来た。レセプションのお兄ちゃんもああ言っていたし、「良いレストランを教えて」と言うと「ＯＫ、ＯＫ」と言って電話を入れてくれた。「安いとこね」と確認すると「安い！安い」とのことだった。
店が良く解らず、地図を見ながらうろうろしていたら、店内から従業員が出て来て呼んでくれた。味の方は、アンティパストの海老はまあまあ美味しかったが、ペスカトーレはメチャクチャ塩辛かった。ピザは窯で焼いていたのでピッツェリアらしく、それならピザをオーダーすべきだったかな。でも、私はピザはあまり好きじゃないしな～。まあ、イタリア料理を食べ、本場のエスプレッソを飲み、イタリアに来たことは実感出来、まあ、満足。タダのピッツェリアにしては、結構高かったけど。
＜海老のサフラン風味。なかなか美味(^_^)＞ ＜塩辛くて食べられない(>_<)＞ そうそう、イタリアまさかの禁煙法はどの様な状況か興味あったのだが、今夜行ったリストランテは、まず、全面禁煙になっており守られていた。店の入り口にもデカデカと「ＶＩＥＴＡＴＯ ＦＵＭＡＲＥ」の貼り紙がしてあった。
食事を終えた後、駅舎の夜景を撮りにミラノチェントラーレまで行く。手袋を外してカメラを触っていると、手が千切れそうに寒い。何枚か写真を撮り早々にホテルに引き上げた。
帰ってから、電話回線に繋いでインターネットを試みるが、回線状況が悪いのかぶちぶち切れて続かない。それに、nifty宛の迷惑メールが１００通を越えており、メール機能を果たせない。この夜はうまく接続出来ずに終わる。残念。
いよいよ、明日はアレッツォに向けて出発する。一歩、ピエロに近づくのだ。
