１７時頃またサンマルコまで行こうとホテルを出ると、天然ボケの姉妹にバッタリ会った。色々話していると「カフェフローリアンってどこにあるんですか？」と言うので、私もサンマルコまで行くからと前まで連れて行ってあげた。全く、４回もイタリアに来ていて、カフェフローリアンがどれだけ有名なバールなのか知らなかったそうである。ふたりを案内した後、私はヴァポレットで向かい側のサンジョルジョへ渡ったが、既に暗くなり過ぎていたし、三脚は持参したのだが、レリーズを使えないカメラだったので、いい写真は撮れなかった。来年はレリーズを使えるカメラが必要だな。
このままホテルに帰ってしまうのも勿体ないし、昨年も一昨年もリアルト橋を渡って向こう岸を歩いた事がないことを思い出し散策に出掛ける。リアルト橋に向かって歩いていると「○○さん」と声を掛けられた。「えっ？」と思って振り返ると、何と、昨年同じツアーでイタリアを回った若夫婦だった。こんなとこで会えるなんて何と言う偶然だろう。友達などで、帰国後話をしている中で「その日なら私もヴェネツィアにいたよ」と話すくらいのことはあっても、昨年一緒のツアーだった人と会えると言うのは凄い確率だと思う。まず、今年もお互いがイタリアに来ていなければならないし、同じ時間にその道を歩いてなければ会うことはないのだ。偶然の上に偶然が重なったとしか思えない。昨年は客は凄く良かったので、懐かしく嬉しかった。「今年は阪神じゃないんですか」と聞くと「今年は阪急で来ました」とのこと。ちょうどいい日に出発する便は、阪神は私が参加した１５日コースしかなく、旦那さんが１５日は休みが取れないと言うことで、１０日のコースで来たとのことだった。普通は１５日なんてなかなか休みが取れないんだろうな。それにしても嬉しくて、昨年の参加者の名簿をなくして困っていたこともあったので住所を教えて貰って別れた。明日はフィレンツェへ行くと行っていたが、フィレンツェでも会えるだろうか。
リアルト橋を渡った向こうは、ブランドの店などはなく何となく静かな感じだが、裏町風でこんな雰囲気もなかなか良い。なんとなく現地人になった気分でバールに入りたくなった。何気ない小さいバールに入って「ヴォッレイ ウン カップチーノ」と言って注文する。立ったままでカップチーノを飲んで一服し、気分はすっかり現地人だ。
更に遠くへ行ってみたが、時間も遅くなって来たので、本日の夕食を調達して帰ることにした。帰り道のバールでサンドイッチをテイクアウト。リアルト橋下の市場に並んでいるオレンジがあまりに美味しそうに見えたので２個買う。この果物嫌いの私が自ら欲してオレンジを買うなんて、余程ビタミンＣが不足していたのだろう。オレンジ２個で８００リラ、日本円で約５２円、何て安いんだろう。
リアルト橋の上は商店が並んでいて、ヴェネツィアの仮面カーニバルの面が土産用にたくさん売られている。職場への土産なんて３００円くらいのんでいいやと思い、５０００リラの仮面のブローチを１５個買った。うん。これは正解。とても３００円そこそこには見えない。
今夜でヴェネツィアともお別れだと思うと名残惜しくて、ホテルにいるのが惜しくてサンマルコからリアルトまでヴァポレットで運河巡りをしようと思い、サンマルコまで出る。見納めのサンマルコ寺院。何度見てもいい。「毎年、来年は違うとこに行こう」と思うのだが、このサンマルコ寺院とフィレンツェのドゥオーモを見ると、やっぱり来年もイタリアに来たいと思ってしまうのだ。
暫くの間、サンマルコ広場の真ん中に立ってサンマルコ寺院を見つめていた。その後、サンザッカリアからヴァポレットに乗って約３０分、ヴェネツィアの夜景を見ながらリアルトまで行く。ワンデイチケットを持っているので、乗らなきゃ損損。…と、言ってもヴェネツィアのヴァポレットは殆ど検札はない。乗る前にチケット売り場の横にあるタイムカードみたいなのに入れて、スタンプを押すのだが、それを確認することはまずない。たまぁ～に長距離の島へ行く時に検札されることがあるくらいだ。本島内ではまず検札には来ないので、タダ乗りしようと思えばいくらでも出来る。ただ、ばれた時は莫大な罰金を取られるらしい。
リアルトで降りてホテルに帰り着いたのは２１時過ぎ。買って来たサンドイッチとオレンジを食べて、荷物の整理をしたら、もう寝る時間。明日はいよいよ、フェッラーラ、ボローニャを経てフィレンツェへと向かう。旅もいよいよ中盤を迎える。
