食事は２０時にホテルのレストランでと言うことだったので、それまでの時間、じっとしているのは勿体ない。まずはフィレンツェに来たら、私の大好きなドゥオーモに挨拶に行かなければ。それに、妹に頼まれているフェラガモの財布を買わなければならない。フェラガモは日中は混んでいて、なかなか店員が捕まらないので、閉店間際を狙おうと取り敢えず出掛けることにする。
ロビーに降りたら、添乗員の片見さんがまだ座っていた。何かのミスで添乗員の部屋が取れてないのだそうだ。今日は満室なので、どこか違うホテルを探して貰っているのだそうだ。こう言うこともあるんだな。
霧雨の降るフィレンツェの街。この喧噪が懐かしい。まずはフェラガモに行って妹の財布を見る。閉店間際でもフェラガモ本店の中は、溢れんばかりの日本人で混雑していたが、運良く店員が捕まったので、財布を購入する。赤い袋を持ってうろうろするのは恥ずかしいが仕方あるまい。シニョーリア広場に出てベッキオ宮、ウフィッツィ美術館、ダビデのレプリカ像などを見た後、ドゥオーモ広場へ行く。この美しいドゥオーモは、見る度に涙が出そうになるくらい感動する。これを見る度にイタリアへ来たことを実感する。
暫くの間、ドゥオーモを見てから、時間になったのでホテルに戻ることにする。２０時ギリギリだったので、部屋に戻る時間がなく、そのままホテル内のレストランへ直行。イタリア語がちょっと出来る２人組と一緒のテーブルになり会話が弾んだ。食後もカメリエーレと喋っていて、気がつくと、またしても殆どの人が帰っていなくなっていた。一緒のテーブルに座っていた女の子がカメリエーレに「このワイン、私の好みじゃなかった」と言うと、「ちょっと待ってて」と言って奥から、大きなワインを１本持って出て来た。無料でサービスと言うことだ。私は飲めないので残念だが、片言でも喋れるとこんなラッキーもあるんだな。片見さんは「ええ？いいなあ」と言いながらグラスに一杯だけ飲んで「今日は別荘だから…」と言って帰って行った。今日はサンタマリアノベッラ駅前のマジェスティックと言うホテルに泊まることになったそうである。
みんな帰ってしまった後、６人程残っていたのだが、カメリエーレにお礼に折り鶴をプレゼントしたら、非常に興味を持ったみたいで、「教えてくれ」と言うのであれやこれやと教えて上げると非常に喜んでいた。結局１０時過ぎまで、レストランで遊んでいた。その後、４人はホテル内のラウンジへ飲みに行ったが、私は部屋に戻ることにした。いよいよ、フィレンツェの観光だ。
